爆釣仕掛け!ショアタチウオテンヤの釣り方を徹底解説!!
みなさまこんにちは釣りダネです。
タチウオテンヤという仕掛けをご存じでしょうか?
もともとはオフショアから始まった釣りでイワシなどをジグヘッドに似たテンヤにワイヤーで巻き付けてルアーの様に誘う釣りです。
もともとタチウオは数100m位に生息する中深海魚で、それを狙うために数100gのテンヤを使用していましたが、ショアでも使用できないかと数10gのテンヤを転用し始めたのがショアタチウオテンヤの始まりです。
オフショアではルアーよりも釣れると人気の釣りでしたが、その実力はショアアングラーにも認知され、今ではタチウオを狙う上でポピュラーな釣り方、仕掛けの一つとなりました。
実際私もルアーでタチウオを狙っていた時はテンヤとかエサだから釣れて当たり前じゃねーかと食わず嫌い気味でしたが、実際やってみるとテンヤならではの面白さがありハマってしまいました。
釣果は当然のことながらルアーよりも確実性が高く、ルアーの10倍は釣れると言っても全く大げさではありません。
しかし、テンヤを使ってもやり方を知らないと釣果に大きな差が出てしまいます。
今回はタチウオテンヤを使う上で私が感じた大事なコツを書いていきたいと思います。
タチウオは主に2種類居る
日本で釣れるタチウオは主に本タチウオとテンジクタチと言われる2種類です。
見分け方は簡単でテンジクタチはヒレの色が黄色くなっています。
テンジクタチは本タチウオよりも南部に生息していますが、温暖化の影響で今後北上することが考えられます。
今後、黄色いヒレのタチウオが釣れるなと思うことがあるかもしれませんが、釣り方や特性、味などは違いが無いのかなと思いますので、安心して大丈夫です。
アクション
基本はスローリトリーブ
タチウオテンヤの基本的な使い方は1秒1回転位のスローリトリーブです。
タチウオテンヤ初心者の方は巻いてる感覚も無く、さらにスローリトリーブをしなければならないのでじれったく感じて巻きスピードが速くなることがありますがまず最初はグッと我慢してスローリトリーブを覚えましょう。
シーズンであればすぐにアタリが来ますので自信がつくとスローリトリーブも苦にならなくなります。
シャクった方が釣れる時がある
スローリトリーブで釣れない時にやってもらいたいのがシャクリ、ジャークです。
テンヤはスローリトリーブだけしていれば釣れると思われがちですが、シャクった方が釣れる場合があります。
特に表層付近でタチウオがいるけどスローリトリーブでなかなか釣れないという時はかなり効きます。
ただし、ショアジギングの様に激しくシャクるよりちょっと大人しめのシャクりの方が効果が高いように思います。
テンヤ
テンヤは2~8号位まで満遍なく持って置くと良い
ショアタチウオテンヤは2~8号のウェイトが主に売られていますが、たまに3号からしか売っていないものがあります。
ですが、足元を出来るだけゆっくりと引きたいときに重いテンヤをカーブフォールさせたとしても、テンヤが速く岸に寄りすぎてテンヤが止まってしまい、タチウオが食うのをやめる事があります。
タチウオは死んだ魚を口にしません。
例えばウキ釣りではなかなかタチウオが釣れず、テンヤだけがよく釣れる事があるのはウキ釣りではエサが動かないからというのが大きな理由だと思います。
ウキ釣りで釣れるのはタチウオが寄っていて、かつ潮流でエサが流されているときです。
岸に寄ったタチウオを狙う場合には、出来るだけ軽いテンヤで止まらない様にゆっくり巻き続ける必要がある為、2号くらいの軽いテンヤが大活躍しますので重めのテンヤだけでなく軽めのテンヤも揃えておくと良いです。
猛光太刀魚テンヤ波止シングルは2号がラインナップされていますのでこういう場面で役立ちます。
チャターは万能では無いが、初心者にはおすすめ
チャターテンヤというのがありますが、普通のテンヤは何してるか分からないので面白くないと思っているテンヤ初心者にはおすすめです。
チャターブレードがついているおかげで重いウェイトを使っても浮き上がりが速く、飛距離を稼ぎつつ、ゆっくり巻くことが出来ます。
それと激しく動く為、タチウオが暴れるテンヤを抑え込もうとするのでただでさえ激しいタチウオのアタリがさらに激しくなります。
ただし、シャクってもダートしなくなるためアクションが単調になります。
バス釣り用のトレーラーフックは非常におススメ
タチウオテンヤにはバス釣り用のトレーラーフックを付けることを強くお勧めします。
何故バス釣り用かというとあまりトレーラーフックが大きすぎるとバイトが乗らない傾向があり、バス釣り用のトレーラーフックがちょうど良い大きさなのです。
トレーラーフックの大きさは#2~2/0くらいまでを2号~8号位のテンヤで使い分けましょう。ただし、テンヤの針の返しが大きすぎてフックの管を通らない事がありますので注意してください。メーカーによっても管の大きさが結構違います。
トレーラーフック使ったことないよという人はぜひ試してください。
アシストフックのみに針掛かりしていることってかなりありますのでその恩恵を感じる事ができるはずです。
ちなみにアシストフックは上向きに取り付けるのでは無く、下から食ってくるタチウオの習性を考慮して下向きに取り付けましょう。
時合いが短い場合は事前にエサを付けたテンヤを用意しておく
タチウオは場合によって時合いが数分~十分程度で終わることがあります。
そんな時にテンヤのエサを付けなおしていては時合いがあっという間に終わってしまいますので事前にエサを付けたテンヤを2~3個ほど用意しておいて、エサがボロボロになってしまっていたら素早く交換できるように準備しておくことをおススメします。
場所
タチウオはボトムから1m以上浮かせた方が効率が良い
みなさんは何故タチウオがタチウオという名前であるかご存じでしょうか?
諸説ありますが、太刀の様な見た目からであるからとか水中で立ちながら泳いでいるからなどあります。
どれが本当の説なのかは私も分かりませんが、実際に立つかどうかで言えば、水族館でタチウオの展示がしてあれば見てほしいですがタチウオは水中で立ちながら泳ぎます。
横になりながら普通の魚の様に泳ぎ回ることもありますが、かなり立ち姿勢で泳ぐ事が多いわけです。
この立ったタチウオが仮にボトムで立ち泳ぎをしている場合どうなるでしょうか?
タチウオは3本指クラスでもかなりの長さがあるわけで、ボトムを通してもタチウオの口はボトムから少なくとも数10cmは上に有るわけです。
つまりボトムを引くと横泳ぎをしているタチウオは狙えるかもしれませんが、その他大勢の立ち泳ぎをしているタチウオを自分の狙いから捨てるのと同じといえます。
ちなみにタチウオは下から上にかみつく事が多く、横からかみつく事は活性が高くない限りあまりしません。ましてや、上から下にかみつく事なんて、つまり立ってるタチウオがわざわざ方向転換してボトムにいる魚を狙いに行くなんて全く無いと言って良いほど確率の低い話なわけです。
もしタチウオを効率よく狙いたいなら、まずはボトムべったりよりもせめて底からタチウオの長さより上を狙うべきだと思います。
タチウオは明暗の境で釣れる
タチウオは光に集まる習性があります。
例えば外灯の光が海面に落ちている所では、タチウオが良く釣れます。
その中でもよく釣れるのは明暗の境です。
自分の感覚ではシーバスの様に明暗の境で捕食するからというよりも外灯の光が一番届くのは岸から出来るだけ近いところなわけで、それが明暗の境というだけではと思います。
タチウオは足元で釣れる
先ほどから何度も足元で釣れると書いていますが、足元で釣れる場合は沖でも釣れるけど足元でも釣れるというわけではありません。
大抵の場合は足元でタチウオが釣れる場合は沖では釣れません。
それだけタチウオが一度に一気に足元に寄ります。
といってもそんなの何回かの釣行で1回あるか無いかでしょ?と思う方もいるかもしれませんが1回の釣行で必ず2、3回は足元じゃないと釣れない時間帯が訪れますので釣れなくなった時はとにかくゆっくりと足元を引いてください。
ちなみに足元で釣れるからと言って足元に投げると釣れません。明暗部などが岸近くにある場合はその境にいるタチウオがテンヤに気づいて足元でやっと食うというケースが多いように思います。
ですので少しは遠くに投げてどこまで投げれば釣れるのかを早めに見極めましょう。
足元で釣れ始めたらエイトトラップを使いこなす
エイトトラップというテクニックをご存知でしょうか?
サタン島田というバスアングラーがバラム300というジャイアントスイムベイトを使い足元でロッドティップを水中に沈めて8の字を描き続けるとバスが狂った様にバイトするという動画をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか?
このテクニックをエイトトラップというのですが、このテクニックはタチウオにもめちゃくちゃ効きます。
バス釣りの様にロッドティップを水につけてバシャバシャする必要は全く無いですが、投げて岸に近づいてきたらすぐに水中から上げずに何回かロッドティップで8の字を描いてください。
リトリーブで食いつかなかったタチウオが我慢ならずに食いついてきます。
このテクニックを使う前提として足元で釣れ始めた時に使ってください。
沖で釣れているときにエイトトラップしてもほとんど効果は期待できません。
潮流が速すぎる場所はあまり釣れない
タチウオは泳ぎが得意では無い為、流れが速すぎると釣れない事が多いです。
当然釣りをしている場所によって流れの速さは変わりますが、流れの速さと釣果の関係性には注意しながら狙うと良いと思います。
タチウオは一瞬で居場所が変わる
タチウオは全く釣れないと思ったら急に釣れ始め、良く釣れるなーと思っていたらパッタリと釣れなくなる魚です。
釣れる場合はうれしい限りですが、釣れない場合はどうすれば良いのでしょうか?
タチウオが釣れなくなる場合は主に2パターンあり、タチウオの時合いが単純に終わった場合と群れが移動した場合です。
時合いが終わった場合は岸から離れていく場合がほとんどですので、岸から対策するのは難しいですが、群れが移動した場合は対策が可能です。
先ほどまで釣れていたのに急に釣れなくなったなという場合は、足元付近までタチウオが寄っていたり、かなり表層に群れていたりと群れが大きく移動していることがありますので、すぐに狙う水深やリーリングスピードを変えましょう。
何も考えずにショアタチウオテンヤはスローリトリーブをやっておけば良いと考えていると継続的に釣果を維持するのは難しくなりますので注意が必要です。
タックル
エイトトラップする為には絶対的に長いロッドが良い
エイトトラップをする為にはロッドが長いことが必要不可欠です。
短いとルアーが全く動かないですし、ロッドティップが水面から高い所に位置してしまうのでテンヤが水中から飛び出してしまいます。
最低でも9フィート後半のシーバスロッドが欲しいですが、長ければ長い方が良いです。
1.5~2号で5m前後の磯竿持ってる方は非常に投げにくいですがそちらを使っても良いですよ。
エイトトラップはやりやすいし、ティップが柔らかいので足元で食ってきても食い込みが良く、バラシが少ないです。
ちなみに磯竿のデメリットである
・長いので取り回しが悪い
・ティップが非常に柔らかいので、他の大型の魚が掛かると対応に時間が掛かる(テンヤ使用時はあまりないと思いますが、巨大ハモが掛かった事があります)
・ガイドに糸が絡んだままキャストしようとするとティップが簡単に破損する
・持ち重りがする
・ロッドアクションなど細かい動作には向かない
・一人でタモ入れするのが難しい
などを理解して使用しましょう。
フッキング
アタリがあってもグイっと反転するまではアワセない
ガツッという明確なアタリがタチウオテンヤの特徴ですが、時々少し重くなるだけのアタリがあります。
タチウオがしっかりとテンヤを咥えておらず、甘噛みしている為です。
こういった場合は、リールはスピードを維持させながら巻き続けましょう。
そうしているとタチウオが嚙み直して反転しますのでその時にアワセをしっかりいれると良いでしょう。
時間帯
他の魚より暗い時間帯に時合いが訪れる
釣れる時間は暗い日の出前、日の入~1時間位、真夜中のこの3つの時間帯のどれかであることが多いです。
一度時間帯を掴めば何日か同じ様な時間帯で釣れることが多いですが、釣れる場所が変化すると時合いが朝から夕方に変わったりと他の時間帯に一気に変化することがありますので常に釣れる時間帯には注意しましょう。
釣れる時間帯が大きく変わる場合はタチウオの群れ自体が入れ替わっている事が多く、釣れるタチウオのサイズも変わることが多いです。
エサ
エサは塩抜きしておいた方が色々な面で有利
出来ればテンヤ用のエサは塩漬けにして水分を抜いておきましょう。
エサ持ちがかなり良くなりますし、エサの水分が抜ける事で身がしぼんで空気抵抗が減り、さらにキャスト中に身が曲がる事が減るので飛距離が安定します。
エサが無くなったらタチウオの尾をエサにすべし
ほとんどの方はご存知かもしれませんが、タチウオは共食いをする魚です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/83/1/83_16-00032/_pdf/-char/ja
こちらの論文では瀬戸内海のタチウオの食性を明らかにしています。
調査によってタチウオの胃の内容物が明らかにされています。(魚名の後のカッコ内には胃の中の内容物の全重量に対する割合が入っています。)
1位:カタクチイワシ(21.00%)
2位:イカナゴ(18.03%)
3位:トカゲエソ(8.97%)
4位:タチウオ(6.28%)
5位:ソコシラエビ(3.02%)
タチウオは4番目に入っており、かなり頻繁に共食いをしていると考えられます。
エサとしても十分機能すると思われます。(3番目にエソが入っており、エソってボトムに居るからボトムを狙うなという先の主張はおかしいのではと思うかもしれませんが、エソは夜行性で夜は中層に居ますのでタチウオがエサにしていてもおかしくはないと思います。この論文の結果から、エソもテンヤのエサとしては十分可能性を感じる事が出来ますね。)
いつでもテンヤの方が釣れるわけではない
テンヤで実績を重ね、自信がついてくるとテンヤしか使わなくなってしまうかもしれませんが、テンヤが常にルアーよりも釣れるわけではありません。
ルアーの方が分が良い場合は
1.時合前に沖からタチウオがポツポツと岸により始める時間帯
2.タチウオのサイズが小さい(2本指サイズ以下)場合
です。
1番目はルアーの方が飛距離が出しやすく、いち早くタチウオにアクセスすることが出来る為、爆釣とはいきませんがテンヤよりも先に何本か釣ることが可能です。
2番目については小さいタチウオ、特に2本指サイズ以下くらいになると、群れの数も半端では無いことが多いので、タチウオの口の小ささとルアーのサイズの関係もあって、ルアーでもかなり食いついてきてくれますしヒットの数が半端では無いのでテンヤの餌を交換する時間を考慮するとよっぽどルアーの方が効率良く釣りをすることが出来ます。
終わりに
タチウオテンヤの釣り方は以上です。思いつくままに適当に書いていきましたので内容的に順番が違うかもしれませんがご容赦ください。
もしルアーしかやったことが無かったり、ルアーアングラーしか居ないフィールドでしたら最初は抵抗あるかもしれませんが、勇気をもってテンヤにチャレンジしてみてください。
きっと大爆釣が体験出来ます(出来なかったらすいません)し、テンヤならではの面白さを感じていただけると思います。
たくさん釣ることでしか分からないタチウオの特性や、法則性も発見することが出来、さらに釣りの腕を上達させてくれるはずです。
それでは。