ハイギアリール、ローギアリールのメリットを詳しく解説
ギア比を語る時にスピードを重視するときはハイギア、パワーを重視するときはローギアと言われます。ここではハイギアにしたことでどんなメリットがあるのか、ローギアにしたことでどんなメリットがあるのかを詳しく思いつく限り書いてみることにしました。
ギア比とは
ギア比とはリールのハンドルを一回転する間にスプールが何回転するかということを表していますが実際にはリールの内部にドライブギアとピニオンギアというギア(歯車)がありこのギアの歯数の比でギア比が決まります。
ギア比はカタログ上でx:1の様に表記されており、xの所がスプールの回転数を表し、後ろの1がハンドル1回転当たりであることを表しています。
一般的に~5:1(ハンドル1回転につきスプールが5回転)はローギア、約6:1はノーマルギア、7:1~はハイギアかエクストラハイギアと呼ばれます。
シマノではローギアはPG,ノーマルは表記なし,ハイギアはHG,エクストラハイギアをXGと表記しています。
ダイワはギア比が低い順にローギアはP(ブラックバスの場合はCC),ノーマルは表記なし、ハイギアはHのことが多いようです。
最大巻上長はスプール径×ギア比
ギア比と密接な関係があるのが最大巻上長です。最大巻上長とはそのリールのハンドル一回転で回収できる糸の長さの最大であり、スプール径×ギア比で大方決まります。
よって、同じ品番のリールのハイギアはローギアに比べて回収を素早く行うことができます。ただし、ハイギアはローギアに比べてパワーがありません。これは自転車のギアと同じで高速のギアはスピードは速いですが、上り坂などでは非力で登れなくなるのと同じことです。
ハイギアのメリットとデメリット
ということでハイギアは巻上スピードが速いということは分かりましたが、それは釣りをする上でどんなメリットとデメリットとして現れるのでしょうか。
以下に列挙していきます。
メリット
・ルアーを速く回収できるのでキャスト回数が増える。
・シンキングタイプのルアーを浅い場所で使う時に、いち早く底から離すことができるので根掛かりを回避しやすい。
・ハイギアを生かした急激な速度の変化をルアーに与えて、リアクションバイトを誘うことができる。
・川や波など流れがルアーを追い越すような場面でもしっかりルアーを泳がすことができる。
・ワームなど糸ふけを出す釣りでもすぐに糸を張ってアタリを取ったり、フッキングなどの体勢に移行できる。
・巻きながらフッキングすることでよりフッキングスピードを上げることができる。
・根やカバーにいる魚を素早く引き離すことができる。
・泳速の速い魚が自分の方向に走ってくるときにできる糸ふけを素早く回収してフックアウト(バらし)を防ぐことができる(海外の人はこの特性を重視してハイギアを使うことが多いようです)。
・感度が高い。(高ギア比の自転車がちょっとした傾斜で敏感に重たく感じてしまうことと同じです。)
デメリット
・パワーが無い。
・購入してギアの摩耗がある程度進むとギアのゴロツキを感じやすい。(感度が高いのでノイズに対する感度も高くなります。)
ローギアのメリットとデメリット
一方ローギアのメリットとデメリットは、
メリット
・リップの長い引き抵抗の大きいルアーを快適に扱える。
・巻き心地が滑らか。
・ハイギアよりもゴロツキを感じにくい。
デメリット
・スピードが無い。
・感度が悪い。
となります。
若干ですが耐久性にも差がある
ハイギアはローギアと比べて歯数が少ない為、一つの歯当たりの接触回数が多くなるのでギアの摩耗速度が速い可能性があります。(後日シマノさんに問い合わせてみたところ厳密には違うようですが、気にするほどでは無いとの回答を頂きました。)
2〰3年毎にリールを買い替えたりする方では関係ないかもしれませんが、もっと長期で使用する場合はピニオンギアとドライブギアの交換をする必要が出てくるかもしれません。
ハンドルにもギア比と同じ効果がある
ハンドル長にもギアと同じメリットデメリットが有りますので注意が必要です。
ハンドルの長さもパワーや感度に関係があります。ロングハンドルはローギアと同じメリットデメリット、ショートハンドルにはハイギアと同じメリットデメリットがあります。
なのでカタログスペックを見る際はギア比だけではなくハンドルの長さが何mmか注目した方が良いでしょう。
自分なりのチューニングをする際は、高感度にするためにハイギア+ショートハンドルであったり、よりハイパワーにするためにローギア+ロングハンドルなどの組み合わせもいいと思います。
以上、ギア比のメリットデメリットと、それに関わるハンドルなどの説明でした。
自分により合ったリールが見つかるといいですね。