呉工業の5-56と6-66を釣り具のメンテナンスにおススメしない理由
こんにちは釣りダネです。
今回はリールなどの釣り具に使うメンテナンス製品のお話です。
釣り用のオイルやグリスなどのメンテナンス用品ってホームセンターで販売されているものより高いものが多いです。
なかにはホームセンターで販売されているオイルやグリスを使っていらっしゃる方もいらっしゃると思います。
なかでも呉工業の5-56や6-66などでメンテナンスをしてらっしゃる方もいるのでは無いでしょうか?
しかし、これらの商品は使い方を誤るとリールの寿命を縮める可能性があります。
今回は5-56と6-66の特徴を紹介しながら何故メンテナンスにおすすめしないのかをご紹介します。
5-56、6-66の成分
成分はどちらも鉱物油、防錆剤、石油系溶剤と書いてあります。
鉱物油とは石油から得られる油、防錆剤は読んで字のごとく錆びを防ぐ薬剤の事で金属の表面に被膜を形成するものがほとんどです。
製品の説明にも
強い浸透力で金属表面の水分を置換し、薄い被膜を形成することで、すぐれた潤滑性と防錆性を発揮します。
"呉工業HPから引用"
とありますので被膜を形成するタイプの防錆剤が入っていると思われます。
問題はこの石油系溶剤です。
溶剤は樹脂を劣化させる
呉工業のHPに書いてありますが
Q.ゴム、プラスチック、樹脂への使用は可能でしょうか。
A.劣化や変色の恐れがあるため、金属以外のものへはお使いにならないでください。
”呉工業の5-56のFAQから引用”
とあります。
この性質は6-66にもあります。
ダイワの上位機種のリールにはカーボン繊維を配合させたプラスチック樹脂であるZAIONが使用されていますし、シマノもCI4+というカーボン系の樹脂を使用しています。
このことからわざわざ金属部分だけ取り外してメンテナンスする方で無い限りは5-56や6-66の使用はおすすめできません。
グリスを軟化させる
Q.5-56とグリースとの相性を教えてください。
A.グリース給油後に5-56を多量に塗布すると、グリースが軟化して流出する恐れがあります。ただし、この際、化学変化はありません。
”呉工業から引用”
リールのドラグやギアにはグリスが使用されています。
グリスはオイルと比べて粘度が高いので水で流れにくく、防水によく用いられます。
5-56はこのグリスを軟化させます。(6-66に関するFAQにグリスに関する記載が無かったので問い合わせたところ6-66にも同様の性質があるとの事です。)
この性質によってグリスが流れ落ち、ギアなどの金属表面が露出すると摩耗を速めたり、腐食の原因になります。
塗装に悪影響を及ぼす
更に塗装面に悪影響があります。
Q.塗装面への使用は可能でしょうか。
A.塗装に対し悪影響を起こす恐れがあるため、お使いいただけません。
”呉工業から引用”
大抵のリールには塗装がされていますので、リールにふりかける様な使い方は出来ないでしょう。
揮発性が高い
”呉工業から引用”
揮発性とは液体の蒸発しやすさを表す性質を表します。
溶剤は揮発性が高いのですぐに乾燥します。
5-56は上の表にあるように数マイクロメートルの膜を形成します(6-66に関してはデータが見つかりませんでした)が金属同士が接触するギアなどの金属部品ではすぐに剥げてしまうでしょう。
実際にグリスに吹きかけてみた
6-66を吹きかけたグリスと吹きかけていないグリスを手で触ってみて感触を確かめてみましたが、吹きかけた方は確かに粘度が低くなっているのが分かりました。
また24時間後には6-66の液体は蒸発しており、吹きかけた後に膜ができているのかヌメリがあることを確認できました。
まとめ
この様に5-56、6-66などのCRCは釣り用メンテナンスには適していません。
6-66は海用ということで5-56よりも性能は良いのかもしれませんが、樹脂等への悪影響を考えると使用しない方が良いでしょう。
特に気温の高い夏は更に揮発しやすくなるので扱いが難しくなります。
一方釣り用のオイルは不揮発性のオイルが多いので上の実験の様に簡単に揮発はしません。
釣り用オイルは水で流されたり高速回転で飛散しない限りは部品にのこりつづけ回転性能アップや防錆性を保ってくれますのでメンテナンスする時は不揮発性の釣り具用オイルがやっぱり安心です。
長く使い続ける事を考えるなら性能の良い釣り用のグリスやオイルを検討してみてください。