ライトショアジギングにおすすめのメタルジグ
ライトショアジギングが何故人気なのか?
ライトショアジギングとは主に20~40g(風が強い時や潮の流れが速い時などは60g程度)の比較的軽量なメタルジグを使用して行う釣りで、ショアジギングと比べて疲れにくく、専用の竿を使用しなくてもシーバスロッドやエギングロッドなどを流用して行えることから近年流行しています。
また、軽量のメタルジグは動きがゆったりしているので青物だけでなく真鯛、ヒラメ、マゴチ、ハタ類などのロックフィッシュなど対象魚種が豊富な事も人気の理由です。
アクション
ここからはライトショアジギングで使うメタルジグの動かし方について紹介します。
カウントダウン
着底に掛かる時間を数える事です。これによって地形の把握が出来ますし、どの水深で魚がヒットしたかを知ることが出来ます。初心者の方はジグをしゃくる事に目が行きがちですが、私はカウントダウンが一番重要だと思います。
グループで釣りをする場合などは何mで釣れたのか情報を共有することで釣果アップも望めるので必ずやりましょう。特に群れを形成する青物では一匹釣れると周辺にも青物が居るはずなので重要です。
お気に入りのジグを見つけたら何秒で何m沈むか、何回シャクったら何m浮き上がるのかをカウントダウンで把握しましょう。
ただ巻き
ただ巻きはリールのハンドルを1秒間に約1~3回転位のスピードで数回巻いて、着底させてを繰り返す釣りである。
ボトムからどの水深まで巻いてくるかは自由なので好きなようにすると良いだろう。
速く巻くと浮き上がるスピードも速くなるので一回のキャストで出来るだけ落として浮かせてを繰り返したい場合は高速巻きが良いだろう。
巻き取りのスピードは一定速にしたり、緩急を付けたり、高速でただ巻きして慣性を付けてジャークさせたりと色々工夫しながら魚を探そう。
ジャークと比べてアクションが単純なので魚が食う直前にジャークしてミスバイトしてしまったなんてことが少ないのではと個人的に思う。
表層引き
スキッピングとも言い、メタルジグが水面を走る位のスピードでリールを巻いて青物を誘う釣り方。メタルジグが水面を叩く度に音と波しぶきを上げるので他のアクションで食わない場合でもこのアクションなら釣れることも多い。
また、他のアクションと比べて超高速で行う釣りなのでこれで釣れる場合は効率も良い。
メタルジグが重いとキャスト後にすぐ巻き始めても水面に浮上するまでに時間を要するので通常は20-30gまでの軽いメタルジグで行うことが多い。
重いメタルジグで飛距離を稼ぎつつスキッピングしたい場合はボディ面積の大きなメタルジグを使うと良いだろう。
フォールスピードが遅く、浮き上がりが速いので遠投してもスキッピングさせやすい。
ハイギアのリールがおすすめ。
フォール
フォールとはメタルジグを沈ませる事である。
フォールには糸を完全に弛ませながらメタルジグを沈ませるフリーフォール、メタルジグが沈むのに合わせて竿先を倒し、糸を張らず緩めずの状態でメタルジグを落とすテンションフォール、糸を張ったままメタルジグを沈めるカーブフォールの3種類がある。
基本はフリーフォールで落として、効率よく魚の居場所をチェックすることが多いが、遠投性能を考慮して重いジグなどを使う場合はフォールスピードが速くなりすぎることもあるのでテンションフォールやカーブフォールも使ってみると良いだろう。
カーブフォールはフォール時のスライドアクションを殺してしまうのでやらないという方も多いかもしれないが、スライドアクションをしないからこそ魚がルアーとの距離を見定めやすくバイトを成功させやすいというメリットもある。
フォール時もジャークの時と同じように多様なアクションがあって良いはずで、フォールで出ていく糸を時折手で押さえるなどしていろいろなフォールを織り交ぜてみるのも良いだろう。
ワンピッチジャーク
ジャークとは竿をしゃくることで、リールのハンドル1回転につき一度ジャークする事をワンピッチジャークと言う。
ワンピッチジャーク数回→フォールさせて着底→ワンピッチジャーク数回...が基本的なメタルジグのアクションになるので初心者はこの一連の流れを最初に覚えよう。
この釣り方で慣れたら、他のアクションもぜひ試していただきたい。
自分はワンピッチジャークしかしないという人はぜひただ巻きにも挑戦していただきたい。
形状
左右対称
左右対称なジグはジャーク時のアクションが素直なものが多く、一度ジグの頭が向いた方向にそのままスーッと真っ直ぐスライドするタイプが多い。
左右非対称
左右非対称なジグは左右の水の受け方が違うことでジャーク時の左右へのスライドのきっかけを作りやすい。その代り、左右非対称がきついものはスライド中にもボディが回転しやすく進行方向に対してボディが横になりブレーキがかかり、スライド幅が小さくなる傾向がある。ただし、スライド幅が小さいから釣れないということではない。
最近のジグは若干左右非対称にすることで左右対称なジグと同じスライド幅でスライドしやすい様に調節したものが多い。
上下非対称
ショアスロー用ジグの形状はほぼこの形状で、ボディが大きく張り出した方を下にしてアクション、フォールするタイプが多い。
高速に巻いても、重心が下にあるのでジグ自体が回転しずらく、糸がほとんどよれない。
ショアスロー用メタルジグの場合はほとんど上部がフラットになっており、ボディ後部にウェイトがあるタイプは真下にフォールするのではなく、後方にスライドしながらフォールするタイプが多い。
素材
メタルジグは金属で作られており、比重によって同じ重さでもボディの体積が変化する。
メタルジグで主に用いられるのはタングステン、亜鉛、錫、鉄、鉛、樹脂ハイブリッド素材である。
以下に各金属の特性を説明しよう。
タングステン
比重が19.3あり、鉛の約60%の体積で同じ重さのメタルジグを作ることが出来る。
体積が小さくできるので抵抗が小さく、遠投性能に優れており、魚が小さいベイトを追いかけているパターンではタングステンのメタルジグが特に有効となる。
逆にベイトが大きい場面では他のルアーを使う方が効率が良い、これじゃ食わないという場面もある。
またボディが小さいのでアピール力に乏しいという欠点がある。
さらにフォール速度が速いので、魚が追い切れない場面では使い分けが必要。
融点が非常に高く、硬度も並みじゃないので製造が難しく、タングステン自体も高いので必然的にジグの値段も高くなる。
鉛
鉛自体の値段も安く、融点は約320度なので安価に作ることが出来る。
しかし大抵の場合は純粋な鉛だと耐久性に乏しいのでアンチモン入りの硬質鉛という合金で出来ている。比重はアンチモンが約10%ほど入っているので約11である。
亜鉛、錫、鉄
鉄の比重7.8、錫の比重7.3、亜鉛の比重7.1なのでここで紹介することにした。
はっきりいって比重はほとんど変わらないのでこの3つの中からどの素材で作っても大したアクションの特性は変化が無いと思われる。
鉛と比べて比重が小さいので鉛と比べてボディが大きく、フォールスピードが遅くなるので低活性な青物や根魚、投げたらすぐ着底してしまう様な浅場のエリアなどに向いている。
流れの速い所ではボディが大きいのがあだとなってタングステン製ジグや鉛製ジグよりも流されてしまうので着底を感じにくくなってしまう為根掛かりしやすいので注意しよう。
もう一つ、鉄製のジグはコーティングがはがれると錆びやすいので注意しよう。
重心
メタルジグは重心がどこに位置しているかで特徴が異なる。ここでは重心位置による特徴の違いについて説明しよう。
フロントバランス
ヘッド付近に重心がある場合をフロントバランスと言う。
ヘッドに重心があるとヘッドを下にして沈もうとするのだが釣り糸の抵抗によってヘッドが持ち上げられ水平な姿勢で沈む。
ジャーク時のアクションは左右方向にスライドするものが多く、スライドする距離も長い傾向にある。軽いジャークでもアクションさせやすいのも特徴。
しかし、スライドが長すぎる故にフックがラインに絡むことが多いのもこのバランスのメタルジグの特徴。
左右にユラユラとゆっくりフォールするメタルジグが多く、低活性な魚や泳速の遅いロックフィッシュ、フラットフィッシュを狙う時に重宝する。
重心からラインの接続部分までの距離が短いので、飛行時にルアーが回転すると姿勢を制御できない事が多く、向かい風などでは飛距離が低下する。
リアバランス
お尻付近に重心がある場合をリアバランスと言う。
ジャーク時のアクションは左右へのスライドはあまり大きくなく直線的な動きを得意としていてやや単調なアクション。
その代わりフロントバランスほどフックがラインに絡まない傾向にある。
糸の抵抗でヘッドが持ち上げられ、更に重心がお尻にあるので底までストンと速く落ちるメタルジグが多い。
飛行姿勢が安定しているので、飛距離を求める場合はこのバランスのメタルジグを使おう。
最近はショアスロー用というフロントバランスの様にゆっくりとフォールさせることが出来て、飛距離も抜群という相反する性能を持ったリアバランスのメタルジグも出てきている。
センターバランス
メタルジグの中心付近に重心があってフロントバランスとリアバランスの中間的な性能を持っている。
どのメタルジグを買うべきか迷った場合はセンターバランスのジグを買っておけば良いだろう。
リアバランス、フロントバランスのジグは1つで2度美味しい
はっきりと片方に重心が寄ったメタルジグは逆付けすることで全く正反対のバランスのメタルジグとして使うことが出来る。
スロー系のジグではあまり効果を感じられないがスタンダードなメタルジグでは逆付けにしてみてアクションの違いを実感してみてほしい。
逆付けしたことが無い人は目の位置が反対になると不自然で釣れなさそうな気がするかもしれないが私個人の経験としては全く関係無い。
シングルフックかトリプルフックか
最近のメタルジグにはあらかじめトリプルフックが取り付けられたものがあるがシングルフックと比べて軸が細いものが多く、大きな魚が掛かると針が曲がりやすい。
過去にフックの耐久性を調査した事があり、サイズ#6(40g程度のメタルジグに最初から付いているのは#4か#6位です)のトリプルフックのベンド(針のU字の部分)におもりをつけてどれくらいでフックが曲がるのか試したところ3kg程度から針が開き始め、約5kgでおもりを外しても針の開きが戻らなくなった。
更に、針の返しの手前に同様におもりを付けて実験してみたところ約1kg程度から針が開き始め、約3kgでおもりを外しても針の開きが戻らなくなった。
トリプルフックは針の数が多い分掛かりは良い一方で変な所に掛かる可能性も高くなる。掛かり方によっては魚に走り回られ針を曲げられやすいので、大きい魚や強引なやり取りをする場合は動きを多少犠牲にしてでも針を大きくするかそのまま使用する場合は耐久性を考慮したドラグの設定をしよう。
カラーは何を買えば良いのか?
最初は小魚に似せたシルバー系、朝夕に有効と言われるブルーピンク、昼間など深場に魚が位置している時でも目立つグロー系などを持っておくと良いでしょう。
おすすめのメタルジグ
ジグパラショート
以前は20~40gまでしかラインナップされていなかったが2017年に50、60gが新たにラインナップされライトショアジギングの釣りの幅が一層広がった。
左右非対称のセンターバランス設計なのでジャーク時、フォール時のアクションも良く、ただ巻きでもウォブリングしてくれるので真鯛やフラットフィッシュなどにも使いやすい。
また、ボディ側面が平らな形状をしておりキラキラと光を反射する為、フラッシング性能も良い。
フックが標準装備されているにもかかわらず他のメタルジグと比べて値段も安いのでおすすめ。
サイズ 20g/30g/40g/50g/60g
カラー 22色(50,60gは10色)
ジグパラスロー
ジグパラシリーズの中でおそらく最も飛距離が出るメタルジグ。
コンパクトボディでリアバランス気味に設定にされているので飛行姿勢が全く崩れず他のメタルジグでは飛距離が出ないようなシチュエーションでもタングステン並みの圧倒的な飛距離を叩き出す。追い風の状況ではタングステンより飛ぶこともある。
一方でリアバランス気味にもかかわらず木の葉の様なボディ形状をしているのでフォール速度がゆったりしており(私の体感では同重量のジグパラショートの6~7割位のフォール速度)、小さく規則的なスライドでフォールしていくので真鯛、ロックフィッシュ、フラットフィッシュなどの泳速の遅い魚におすすめ。
ウェイトラインナップが10gからあるので色んな場所で使いやすいメタルジグ。
サイズ 10g/15g/20g/30g/40g/50g/60g
カラー 7色
MMジグⅡ
長さのあるロングボディのジグだが後方重心なので飛距離は申し分ない。
このジグはフォールのパターンが2種類あり、まず最初にバックスライド気味に水平フォールした後に急にストンと高速フォールする為、魚の居る位置が分かっている場合などはいち早く目的の場所に送り届けることが出来る。
多角形のボディ形状をしており、ボディが回転しながら水平フォールするのでフォール時のフラッシングがとにかく強烈で遠くの魚でも惹きつける力を持っている。
手前にジグが寄って来るに従って高速フォールに切り替わるタイミングが変化するので魚に動きを飽きさせない。
逆付けにするとさらにスライド幅が大きくなって水平フォールが長くなる。
個人的には青物におすすめのメタルジグ。
サイズ 10g/15g /20g/30g/40g/60g/80g/100g/120g/150g/200g
カラー 8色(30g,40gは7色)
撃投ジグレベル
フロントバランスのメタルジグでジャーク時のスライド幅が大きいのが特徴。
ロングジグは着水時の衝撃や魚が暴れる際に変形する事があるがタフボーンというステンレス製のプレートをボディに内蔵しているので耐久性がとても優れている。
ジャークするとフロントバランスの効果と抵抗の小さいボディ形状により慣性でロングスライドしてくれるため、大きさの割に引き抵抗が小さく長時間使っても疲れにくい。
水平フォールでゆったりとスライドしながらフォールするので魚に食わせの間を与えることが出来るメタルジグ。
”オーナーばりから引用”
サイズ 30g/40g/60g/80g/100g/130g/180g/230g
カラー 9色
番外編
ダイソージグ
釣れると有名のダイソージグですが耐久性には気を付けましょう。
ボディの耐久性
購入して耐久性テストしてみたことがありますが釣り具メーカーのメタルジグと違ってかなりボディがやわらかく少し力を入れるとボディが曲がります。
これはおそらく釣り具メーカーのメタルジグと違って錫という金属が入っていないからでしょう。
スプリットリングの耐久性
約1kgの負荷をかけると若干歪みはじめ、約2kgでかなり歪みます。
約12kgで破断しましたがこれだけ簡単にゆがむとラインの結束強度も安定して出ないかもしれませんので交換したほうが良いでしょう。
フックの耐久性
28gに付属のフックで耐久試験をしてみましたが、フックの懐におもりをつけて耐久試験をしてみましたが約4kgで曲りはじめ、約5kgで元に戻らなくなりました。
カエシの手前までしか刺さっていない場合は約2kgで曲がり始めました。
耐久性はまあまああるようですが、刺さりに関しては未知数なのとおそらくフックにメッキがしていないのですぐ錆びますので交換した方が無難です。